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一般社団法人ハンセンボランティアゆいの会

ハンセンボランティア「ゆいの会」は、一般社団法人ハンセンボランティアゆいの会となりました。 岡山県瀬戸内市邑久町にある国立ハンセン病療養所長島愛生園 ・邑久光明園でボランティア活動をしています。 本ブログでは,当会の活動のほか,ハンセン病問題に関する 最新の情報も随時掲載しています。           

岡山地裁へ原爆症認定訴訟の新規提訴
全国でたたかわれてきた原爆症認定集団訴訟は,2月21日に,大阪地裁で,集団訴訟の地裁レベルでの最後の判決が,言い渡されます。

国は,一連の原爆症認定集団訴訟での司法判断を受け,2008年3月に原爆症認定に関し,「新しい審査の方針」を決定しました(2009年6月に改訂)。「新しい審査の方針」は,前文に「より被爆者救済の立場に立ち,原因確率を改め,被曝の実態に一層即したものとする」と書いています。

しかし,この文言は,従来の被爆者切り捨ての認定行政に対する真摯な反省に立つものではなく,被爆者らが求めてきた、迅速かつ積極的な被爆者救済の理念が欠落していました。

「新しい審査の方針」については,①がん・白血病についてさえ時間や距離の制限があること,②一連の集団訴訟において判断が確立している疾病が積極認定の対象とされていないこと,③「被曝線量」が総合的判断の考慮要素とされており,かつ判断のあり方が不明確なことなどの問題点が,当初から指摘されていました。

そして,2008年4月以降,「新たな審査の方針」に基づき,原爆症認定が行われてきましたが,現在の認定状況をみるかぎり,国の被爆者の切り捨て行政の姿勢は改まっていません。

そのため,現在,不当に認定却下処分を受けた被爆者は,大阪地裁での提訴をはじめとして,広島,熊本,札幌,名古屋が,新規提訴を行っています。
岡山弁護団も,2011年11月10日,岡山地裁へ原爆症認定を求める新規提訴を行いました。

現在,59名が集団訴訟後,新規に提訴し,司法救済を求めています。

来年1月18日(水)が,岡山地裁への新規提訴の第1回口頭弁論期日です。

岡山で新規提訴した原告は,3歳のとき,爆心地より約5㎞離れた疎開先で母親らとともに被爆し,その日から10日間,母親に連れられて,兄,姉と一緒に,爆心地から400mのところにあった工場で働いていた父親と兄を探すために入市していました。

新しい審査の基準では,「原爆投下より約100時間以内に爆心地から約2㎞以内に入市した者が,悪性腫瘍等の疾病について,原爆症認定の申請をした場合には,格別に反対すべき事由がない限り,放射性起因性を積極的に認定する」と定められており,当然,認定されるべき被爆者です。

今回のケースは,新基準のもとにおいてもなお,いかにいいかげんな認定行政が行われているかを示しています。



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