お昼に、原爆症認定訴訟全国弁護団会議(東京)から戻り、事務所に立ち寄ると、長島愛生園の宇佐美治さんの刊行されたばかりの「ハンセン病絶対隔離に真向かった70年 野道の草」(みずほ出版 2007年11月20日発行)が、届いていました。
本書のあとがきで、宇佐美さんは、「雑草(あらぐさ)は、敷きつめられた石畳のわずかな隙間からさえ芽を出し、生きている。麦は踏まれることによって強く真っ直ぐに生長する。レンコンは、水中の泥のなかで生長する-。ふるさとの原風景が私の心の中で蘇り、拙著の主題を「野道の草」と決めました」と書かれています。
本書をよむと、宇佐美さんが、子ども心におぼろげながらも、野に育つ草のようにたくましく生きたいと思っていた気持ちを、今まで、ずっと持ち続けてこられたこともわかります。
「私にとって国賠訴訟はなんであったか。それは、まず、自分が変わらなければならない、ということを教えられたことです。」とも述べられています。
「野道の草」の内容
第1部 深海に陽光きらり
第2部 「陳述録取書」より
第3部 「本人調書」より
第4部 座談会
第5部 講演記録
第6部 資料編
あとがき
第1部は、自らの半生において心に焼き付いていることなどを語っています。
第2部は、ハンセン病国賠訴訟瀬戸内訴訟で裁判所に提出した「陳述録取書」です。
第3部は、前記訴訟における宇佐美さんの証言調書です。
第4部は、本書刊行のために企画された座談会の記録です。
第5部は、愛知県津島市で行った講演に加筆されたもの。
「野道の草」
ISBN4-901750-47-X
出版社 みずほ出版
発行日 2007年11月20日
定価 2000円+税
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