一昨日、「栗生楽泉園入所者証言集(1)(2)(3)」(編者:谺雄二、福岡安則、黒坂愛衣、創土社刊)を、編者の方からいただきました。心より感謝します。
本証言集には、栗生楽泉園の入所者の中から選ばれた、16人の「陳述書」と35人の「聞き取り」と2人の「書き下ろし」からなる、総勢50人の証言が掲載されている、とても大部で貴重な記録となっています。
編者の言葉として、つぎのように述べられています。
「本証言集では、ただひとつの「歴史的真実」を追うことはしていない。さまざまな異論があるという形で、こうした語りをそのまま掲載している。当事者の語りは、過去の出来事についての語りであると同時に、現在を示す語りでもある、そのような記憶をもって当事者が現在を生きていること、言うなれば「主観的現実(リアリティ)」を再現するのが、まずもっての目的である。」
長島愛生園歴史館でも、田村学芸員が、あらたに入所者20人以上から聞き取りを行い、DVDに収録。歴史館2階映像室で、映像証言集という形で、視聴することができるようになっており、さらに聞き取りを進めています。
又、ハンセンボランティア「ゆいの会」には、国賠訴訟を担当した弁護士や検証会議での被害実態調査の際に、聞き取り調査を担当したソーシャルワーカーが運営委員や会員として加わっており、また県の依嘱を受けた社会復帰支援員としての長島愛生園や邑久光明園での日々の活動のなかで、入所者から聞き取りも行い、邑久光明園の「楓」誌に聞き取りを掲載するなどの活動もしています。
「ゆいの会」でも、それぞれの入所者の生きてきた記録を、今回のような証言集の形で残す取り組みができないかと考えています。
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