これまで、ソロクト訴訟弁護団の一員として、何度も、ソロクトを訪れ、そのたびにソロクトと対岸を結ぶ橋ができあがっていく姿を見てきましたが、今月(9月)には完成することになりました。
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ニューヨークタイムズは、2007年8月9日(現地時間)、Aセクション4面全体を割いて、韓国の小鹿島(ソロクト)に、9月、小鹿島と全南高興郡(コフングン)ノクトン港を連結する小鹿大橋が完成するとの記事と、偏見と悲しみの歳月を送ってきたソロクトの歴史を振り返る記事を掲載しました。
同記事のなかで、ニューヨークタイムズの記者は、つぎのように伝えています。
ソロクトは、韓国でもっとも有名なハンセン病患者のコロニーであり、長い歳月、ハンセン病患者が生涯を通じて隔離され、沈黙のなかで死を迎える地であった。
9月25日の韓国の秋夕(旧盆)に合わせて、ソロクトと対岸を結ぶ橋が開通する。
1946年にソロクトに来て以来、島を離れたことがない69歳のKim Ki-sangハラボジは、「橋が開通すれば、もはや島ではなくなるだろう。かつては、私たちは、陸地と近いところで暮らしてきたが、自由がありませんでした。この橋は、悲しみの歳月から、わたしたちを解放してくれるだろう」と語った。
しかし、小鹿島が真に陸地の一部となりうるかは、不確かである。長い歳月をこの島で暮らし、陸との縁故を喪失した高齢の患者たちが、あえて橋を渡ろうとするだろうか?という疑問があるからである。
他方で、現在は、陸地からはフェリーでのみ渡ることができる小鹿島に、外部の世界が自由に入ってくることについて、かなり恐怖をいだいている。
自分たちのプライバシーを守るため、この小島にある7つの村は、外部の車両の立ち入りを禁止することになるだろう。
1957年に島に収容され、650人のハンセン病患者のリーダーであるKim Chung-hangハラボジは、橋をわたってくる人たちに対する統制は強化されるであろうが、利益を得ることを欲するならば、いくらかの犠牲は避けられないであろう、と述べている。
この地区の当局者は、「ハンセン病に対する偏見は消えているわけではないが、島の対岸の渡陽邑(トヤンウプ)から橋を架けることについては、地区ではほとんど反対はなかった。トヤンウプのホテルや店の経営者は、橋ができれば旅行者がトヤンウプに立ち止まる必要がなくなるため、営業に支障が生ずるのではないかということに、関心をもっている」と伝えている。
詳細は、↓
ニューヨークタイムズの記事
「A Korean Must Span Years of Bias and Sadness 」
http://www.nytimes.com/2007/08/09/world/asia/09lepers.html?emc=eta1
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