廣川和花氏の「近代日本のハンセン病問題と地域社会」が,大阪大学出版会から出版されています。
廣川氏は,同書について,
(1)ハンセン病史を単に国家の政策過程の歴史あるいはそれによる被害の歴史としてとらえるのではなく,法制度に基づく処遇決定のしくみとその地域的な差異をあらためて問い直し,さらにその差異を生んだ諸条件を分析することに,病者の「生存」とそれを規定する地域の問題として位置づけること,
(2)療養所送致という瞬間的な局面や送致先の療養所内での病者の処遇のみを問題にするのではなく,法の下でも可能であったはずの多様な選択肢としての「療養形態」の可能性に着目し,それを含むハンセン病「医療環境」の下での病者の「生存」と隔離の内実を問うこと,以上の二点を主な検討課題として,ハンセン病の「病者の社会史」を描き出すことを目指した,と述べています(24ページ)。
第一章 「ハンセン病者の処遇に関する法制度の再検討」では,
戦前日本におけるハンセン病者の処遇に関与する各府県の関連法制が,地域ごとに差異が認められることに留意しつつ,法に定められている地域におけるハンセン病者の処遇がどのように決定されたのか,そのプロセスについて論じています。
これまで,あまり具体的に検討されることの少なかったテーマですが,重要な視点だと思います。
- ハードカバー: 332ページ
- 出版社: 大阪大学出版会 (2011/3/10)
- ISBN-10: 4872593782
- ISBN-13: 978-4872593785
- 発売日: 2011/3/10
- 商品の寸法: 21.4 x 15.2 x 2.6 cm
廣川氏は,同書について,
(1)ハンセン病史を単に国家の政策過程の歴史あるいはそれによる被害の歴史としてとらえるのではなく,法制度に基づく処遇決定のしくみとその地域的な差異をあらためて問い直し,さらにその差異を生んだ諸条件を分析することに,病者の「生存」とそれを規定する地域の問題として位置づけること,
(2)療養所送致という瞬間的な局面や送致先の療養所内での病者の処遇のみを問題にするのではなく,法の下でも可能であったはずの多様な選択肢としての「療養形態」の可能性に着目し,それを含むハンセン病「医療環境」の下での病者の「生存」と隔離の内実を問うこと,以上の二点を主な検討課題として,ハンセン病の「病者の社会史」を描き出すことを目指した,と述べています(24ページ)。
第一章 「ハンセン病者の処遇に関する法制度の再検討」では,
戦前日本におけるハンセン病者の処遇に関与する各府県の関連法制が,地域ごとに差異が認められることに留意しつつ,法に定められている地域におけるハンセン病者の処遇がどのように決定されたのか,そのプロセスについて論じています。
これまで,あまり具体的に検討されることの少なかったテーマですが,重要な視点だと思います。
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