現在、ハワイ州モロカイ島北中部にあるカラウパパ国立歴史公園は、ここで暮らすハンセン病回復者の減少により、今後の国立歴史公園のあり方が議論されています。我が国の国立ハンセン病療養所の将来のあり方を考える上でも、とても参考となると考えています。
ハワイでは、1835年に、カウアイ島に住んでいたハワイアン女性のハンセン病患者を発見し、1850年、コレラの問題を扱っていたハワイの初期保健局(Hawaii's first Board of Health)が、ハンセン病にも関わるようになった。
1865年1月3日には、カメハメハ五世が、ハンセン病の蔓延を防止するための法律に署名した。同法は、ハンセン病患者を隔離する目的のための土地の分離を許可するものであった。
同年11月13日に、ホノルルの近くにカリヒ病院が開設された。同病院は、ハンセン病を発病が疑われる人々、軽症例、及びハンセン病患者隔離のための土地とされたモロカイ島のカラワオ居住地(カラウパパ半島の東側、その後、居住地は、半島の西側のカラウパパに移る)に出航するのを待つ患者の治療のための病院であった。
翌66年1月6日、9名の男性と3名の女性からなる最初のグループが、モロカイ島のカラワオ居住地に向けて出航した。
そのから100年を経過した1969年に「ハンセン病の蔓延を防止するための法律」が廃止されたが、その間に、おおよそ8000名のハンセン病患者が、「Living Tomb」(生ける墓)と呼ばれたこの地に、強制隔離された。
1996年の法廃止後にも、自らの意思で、カラウパパにとどまることを選択した回復者も少なくなかった。
その後、故リチャード・マークス氏(マークスさんは、私が2000年にカラウパパを訪れたときには、ダミアンツアーのガイドをされていた。)を中心とする、カラウパパ居住地で暮らす回復者らは、居住地を守るための運動を始め、法廃止から11年後の1980年12月22日の「The Act to establish the Kalaupapa National Historical Park in the State of Hawaii,and for other purpose」(ハワイ州カラウパパ国立歴史公園設立等を目的とする法律)により、カラウパパ国立歴史公園が設立され、現在に至っている。
ハワイ州カラウパパ国立歴史公園設立等を目的とする法律(The Act to establish the Kalaupapa Historical Park in the State of Hawaii,and for other purposeの日本語試訳) 原文
https://www.congress.gov/bill/96th-congress/house-bill/7217/text/
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