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ハンセンボランティア「ゆいの会」

岡山県瀬戸内市邑久町にある国立ハンセン病療養所長島愛生園・邑久光明園でボランティア活動をしています。本ブログでは,当会の活動のほか,ハンセン病問題に関する最新の情報も随時掲載しています。           

ハンセン病関連資料整備・保存活用研究会の最終報告書
「ハンセン病関連資料整備・保存活用研究会」(代表者:名古屋工業大学名誉教授宮野秋彦)が、2005年から2カ年にわたり実施してきた財団法人トヨタ財団研究助成による「ハンセン病施設における関連資料の整備集成並びに環境保全に関する研究」が、2007年10月で終了し、2カ年の成果が報告書としてまとめられ、トヨタ財団に提出、受理されました。

私も共同研究員の末端に名を連ね、長島愛生園での調査作業には当会のボランティアも参加、精力的に作業を行いました。

本調査研究は、それぞれのハンセン病療養所での歴史的資料の現地保存・活用を目的として行われました


「本調査研究は、ハンセン病に関する貴重な歴史的資料を散逸、毀損することなく、それぞれの関連施設において整備、集成され、環境に極力負荷をかけない現地保存施設で、永く保存、活用されることを目的として計画し、実施した。」(「上記報告書」より)

国立ハンセン病資料館建設の際に、国(厚生労働省)が念頭においていたと思われる、歴史的資料の中央集中化とは、一線を画するものです。

研究の概要は、以下のとおりです(「上記報告書」より)。

1,関連資料の整備
調査対象として施設は、国立療養所長島愛生園、国立療養所菊池恵楓園、財団法人神山復生記念館の3施設で、各施設に所蔵されている資料の簿冊目録の整備を中心に研究計画を立てたが、各施設の目録整備の進捗状況と資料を取り巻く諸事情が異なることを考慮し、施設毎に作業方針を立て実施した。なお、調査方法や内容の検討、および項目等を決定する際には、今度施設間で情報交換が容易にできるように研究者間で連絡をとり協議、検討し、また、調査作業は本研究関係者に加え、地域ボランティアや外部研究者等多数の参加を得て、それぞれの施設で行った。愛生園では、調査総数7288件で、予定作業の全てを終了し、園内保存されている関係資料の量と内容の全体像が確認できた。
恵楓園では未入力分(827箱)の82%にあたる680箱の入力完了し、目録化が、資料群全体の把握と散逸防止の第一歩が十分達成できた。神山復生記念館では、劣化した会計資料全冊の現況調査と複製がなされ、今後の資料研究に活用可能となった。
また、これらの作業に従事した地域住民や学生が、ボランティアとして活動し始めている施設もあり、本研究参加をきっかけに社会的文化遺産に対する関心が地域の中に広がりつつあることも、大きな成果の一つといえる。

2,関連資料の収蔵・展示施設における環境測定と現地調査およびその対策
愛生園の歴史館については、1階展示室内の温湿度環境は概ね良好な状態にあるが、2階収蔵室の換気方式および湿度環境の改善等に若干の問題点が見られた。1階展示室の2006年夏の害虫調査で、大量のタバコシバンムシが捕獲され、展示中の紙粘土製園内模型が発生源であることが判明し、防虫対策が早急になされ、模型の崩壊と他の展示物への被害が免れた。また、他の資料保全施設についての環境継続結果は、今度の環境改善の指針として関係者に提示した。
登録文化財に指定された歴史的建造物である復生記念館での資料保存および展示環境については、高床下の旧状への復元を始め、図書室および各種提示ケースなどへの調湿建材の施工によって湿度環境が著しく改善された。しかし、当地は富士山麓に位置し外気自体がしばしば高湿度となる。今回の調査研究を契機として、室内の一部に耐火、断熱および調湿性能を有する建材で小型収蔵庫を新設し、概ね温湿度環境は良好な結果を得ている。今後とも推移を見守りながら対応していく必要があるため、計測は続けて行っている。
国立療養所菊池恵楓園は、資料の保存展示施設として旧事務本館の改修、整備を計画していたため、当館の環境計測結果に基づき、調湿建材を用いた環境に負荷をかけない収蔵施設を助言した。平成18年に歴史資料館として発足し、以来、温湿度環境の計測調査を継続的に実施し、環境の調整について随時助言を行っている。
また、財団法人待労院については、施設の保存環境についての検分を行い、結果を関係者に報告した。

3,その他:資料保存に関する研究会の開催
2006年3月3日および4日の二日間にわたり「資料保存のための学際シンポジウム」を、熊本大学、菊池恵楓園およびリデルライト記念館の協力のもとに、熊本大学五高記念館において、熊本大学教員ならびに学生、資料保存関係の専門家、ハンセン病の元患者、一般市民および新聞、テレビ等の報道関係者らの参加を得て実施した。



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