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一般社団法人ハンセンボランティアゆいの会

ハンセンボランティア「ゆいの会」は、一般社団法人ハンセンボランティアゆいの会となりました。 岡山県瀬戸内市邑久町にある国立ハンセン病療養所長島愛生園 ・邑久光明園でボランティア活動をしています。 本ブログでは,当会の活動のほか,ハンセン病問題に関する 最新の情報も随時掲載しています。           

鳥取地裁ハンセン病・非入所遺族訴訟の第9回口頭弁論が開かれました
5月18日(金)16時30分から,鳥取地裁で,ハンセン病・非入所遺族訴訟の第9回口頭弁論が開かれました。

今回,原告側は,第6準備書面を提出しました。同書面は,原告を含む非入所者の子の被害の内容及びその被害はハンセン病隔離政策による政策被害であること,並びに,かかる被害を生じせしめた被告ら(国,鳥取県)の注意義務違反について検討したものです。

被告国・鳥取県からは,第3準備書面が提出されました。2010年4月の提訴から2年を経過して,ようやく反論の書面を提出してきましたが,その内容は,ハンセン病隔離政策による非入所者の家族には固有の被害を認めず,仮に損害があったとしても,非入所者に生じた損害賠償請求権を承継したものも,原告固有の損害賠償請求権も,平成14年1月29日からそう期日をおかない頃に,いずれも消滅時効が成立しているなどという内容です。

被告らの主張の要点は,次のとおりです。

「原告の亡母に関して生じた損害とは別に,原告に固有の損害は発生したことを裏付ける具体的な事実があったとは認められず,仮に原告が主張する事実が認められるとしても,それをもって原告に固有の損害が生じたものと評価できるものではない。」

「また,原告において亡母に生じた損害賠償請求権を相続により承継したものに加え,仮に固有の損害賠償請求権を有しているとしても,それらの各損害賠償請求権は,いずれも既に時効により消滅していることから,原告の請求は理由がない。被告らは,本準備書面において上記消滅時効を援用する。」

消滅時効の起算点については,つぎのように主張している。

「平成14年1月28日には,ハンセン病療養所への入所歴のない者をも対象として基本合意書Ⅱに沿った合意がされ,その事実が原告が居住する鳥取県内においても広く報道されていたのであって,一般人であれば,ハンセン病療養所への入所歴ない者をも対象とする基本合意書Ⅱに沿った合意が締結された旨の報道に接すれば,亡母と同様に入所歴のないハンセン病患者又は元患者との関係(それらの承継人又は親族との関係も含む。)においても,国の隔離政策等が違法であったことを認識できたというべきである。」

「原告の場合においても,平成14年1月29日からからそう期日をおかない時点で,報道等を介して基本合意書Ⅱに沿う合意が成立した事実を知ったものと推認するのが相当であって,その時点で国及び県の加害行為は違法であることを認識できたというべきである。」

「ただし,被告らは,上記消滅時効の援用にかかわらず,平成14年1月28日,被告国とハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会との間において成立した基本合意の内容に沿って,原告の間において和解を行う意思があることを念のために申し添える。」


原告側は,次回に,被告らの第3準備書面に対する反論の準備書面を提出する予定です。


(今後の予定)

第10回口頭弁論 7月13日(金)16時~

第11回口頭弁論 9月12日(水)10時~




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