忍者ブログ

ハンセンボランティア「ゆいの会」

岡山県瀬戸内市邑久町にある国立ハンセン病療養所長島愛生園 ・邑久光明園でボランティア活動をしています。 本ブログでは,当会の活動のほか,ハンセン病問題に関する 最新の情報も随時掲載しています。           

憲法ミュージカル「ドクター・サーブ」と個人の尊厳
大阪弁護士会が,会報の9月号に,ハンセン病を差別的表現である「らい病」と標記した広告を掲載したことは不適切だったとして,10月号で謝罪記事を掲載しました。

問題の広告は,大阪府や兵庫県の弁護士などが中心となった実行委員会が主催した大阪・神戸憲法ミュージカル2011「ドクター・サーブ」の広告で,「らい病治療のためアフガニスタンに赴いた」という表現を用いていました。

憲法ミュージカル「ドクター・サーブ」実行委員会は,当初,「らい病」をハンセン病と置き換えても偏見差別はなくならないとして,あえて,このことばを使用したと説明していたようです。

もちろん,言葉の置き換えで済む単純な問題ではありませんが,だからといって,当事者にとって非常に苦痛であり,長い経緯のなかで「ハンセン病」と呼ぶようになった事情を無視し,あえて差別用語を用いることが,当事者の人権を尊重し,個人の尊厳を守ることになるとは思えません。

その後,この広告の表現について指摘を受け,実行委員会は,この言葉をハンセン病と変えました。

このような広告での表現とは別に,実際に演じられたミュージカルの中での,アフガニスタンのハンセン病患者の人々の描き方も,人間の尊厳をもった人々というよりも,人以下の存在であり,崇高な使命感をもった医師による,救済の対象という印象を強く抱かせる描き方だったということでした。

私も,シナリオを読み,同じような印象を持ちました。その後指摘を受け,一部は修正がなされたとのことです。

大成功であったといわれるこのミュージカルですが,実際にこのミュージカルを観た人たちの中からも,基本的人権と個人の尊厳を守ることをテーマをした憲法ミュージカルにおいて,そうした描き方がなされたことについては疑問が出されていました。

今回の憲法ミュージカルに提起されたこうした声については,法曹の一人として,また一人の人間として,強く心に刻まなければならないと感じました。


読売新聞2011.11.15

http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20111115-OYO1T00721.htm

拍手[2回]

PR

コメント

コメントを書く