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姜信子さんの「今日,私は出発する ハンセン病と結び合う旅・異郷の生」(解放出版社)を読みました。
同書の冒頭で,次のように書かれています。
「ハンセン病をめぐる問題に出合い,その問題の生まれてくるその根本のところが,自分自身にとってひどく切実で大切なことに感じられた。」「その切実で大切なことを自分なりに考え抜き,それを語るための借り物ではない言葉を探り当てたいと思い,ハンセン病という病(人間関係を蝕んでいく社会的な病という意味合いを含みこんだ「関係性の病」)を生きざるをえないところに置かれた方々を療養所に訪ねることになった。」
こうした療養所への旅のなかで出会ったハンセン病回復者5人の方々との対話を中心に構成されています。ぜひ手にとってみてください。
姜信子さんは,韓国のソロクトを舞台とした季清俊の小説の翻訳書『あなたたちの天国』(みすず書房)を出版されています。
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2011年度ハンセン病問題講演会(主催:ハンセン病問題講演会実行委員会・大阪府・大阪市)が,2012年2月18日(土)に,大阪市立阿倍野区民センター2階大ホールで,開催されます。
当日の【シンポジウム】のテーマは,
「ハンセン病問題の啓発をめぐる課題~何を伝えるのか 誰に伝えるのか~ ミュージカル「ドクターサーブ」問題がつきつけたもの」
大阪・神戸憲法ミュージカル「ドクターサーブ」の演出に対して突きつけられた厳しい批判をきっかけとして,改めて,これからの啓発の在り方を見つめ直そうという企画です。
ぜひ,ミュージカル「ドクターサーブ」に,参加された方々をはじめ,多くの方に,この講演会に参加して,改めて,ハンセン病問題について考える機会にしてほしいと願っています。
「開催にあたって」(ちらし(裏))は,次のように述べています。
「厚労省は,2002年度以降,中学生向けの啓発パンフレット「ハンセン病の向こう側」を全国の公立中学校に配布しています。また,来年度使用予定の中学校社会科「公民」の教科書全てにハンセン病問題が取り上げられています。
・・・しかし,未だ「ハンセン病は怖い病気」「ハンセン病回復者の家族との結婚は忌避する」などの根強い偏見・差別意識があることが大阪市社会福祉協議会の市民意識調査で明らかになりました。
そのような中で,大阪・神戸で憲法ミュージカルとして上映された「ドクターサーブ」での,アフガニスタンのハンセン病患者をことさら悲惨な姿で描き出す一方で,ハンセン病患者を救う医師の偉大さを強調した演出がハンセン病に対する偏見差別を助長し,当事者の尊厳を傷つけるものであるとして厳しい批判を受けています,これらの問題をとおして,ハンセン病問題の啓発をめぐる課題について考えたいと思います。」
大阪府HP
http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=9104
チラシ(表)
http://www.pref.osaka.jp/hodo/attach/hodo-09104_4.pdf
チラシ(裏)
http://www.pref.osaka.jp/hodo/attach/hodo-09104_5.pdf
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来年5月12日~13日に開催される,ハンセン病市民学会2012年青森宮城大会の公式ブログができました。
ハンセン病市民学会2012年青森宮城大会
現時点では,まだ,情報は掲載されていませんが,今後,どんどん情報を発信していってもらいたいです。
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国立療養所長島愛生園の入所者であった,故島田等(1995年没,69歳)さんの著書や詩を展示した作品展が,12月24日と25日に,三重県四日市市総合会館(同市諏訪町)で,開催されます。
朝日新聞 「元ハンセン病詩人の魂」
主催は,2009年に発足した市民グループ「ハンセン病問題を共に考える会・みえ」です。
asahi.com:元ハンセン病詩人の魂-マイタウン三重
記者の窓2011.12.19
三重テレビブログ -
全国でたたかわれてきた原爆症認定集団訴訟は,2月21日に,大阪地裁で,集団訴訟の地裁レベルでの最後の判決が,言い渡されます。
国は,一連の原爆症認定集団訴訟での司法判断を受け,2008年3月に原爆症認定に関し,「新しい審査の方針」を決定しました(2009年6月に改訂)。「新しい審査の方針」は,前文に「より被爆者救済の立場に立ち,原因確率を改め,被曝の実態に一層即したものとする」と書いています。
しかし,この文言は,従来の被爆者切り捨ての認定行政に対する真摯な反省に立つものではなく,被爆者らが求めてきた、迅速かつ積極的な被爆者救済の理念が欠落していました。
「新しい審査の方針」については,①がん・白血病についてさえ時間や距離の制限があること,②一連の集団訴訟において判断が確立している疾病が積極認定の対象とされていないこと,③「被曝線量」が総合的判断の考慮要素とされており,かつ判断のあり方が不明確なことなどの問題点が,当初から指摘されていました。
そして,2008年4月以降,「新たな審査の方針」に基づき,原爆症認定が行われてきましたが,現在の認定状況をみるかぎり,国の被爆者の切り捨て行政の姿勢は改まっていません。
そのため,現在,不当に認定却下処分を受けた被爆者は,大阪地裁での提訴をはじめとして,広島,熊本,札幌,名古屋が,新規提訴を行っています。
岡山弁護団も,2011年11月10日,岡山地裁へ原爆症認定を求める新規提訴を行いました。
現在,59名が集団訴訟後,新規に提訴し,司法救済を求めています。
来年1月18日(水)が,岡山地裁への新規提訴の第1回口頭弁論期日です。
岡山で新規提訴した原告は,3歳のとき,爆心地より約5㎞離れた疎開先で母親らとともに被爆し,その日から10日間,母親に連れられて,兄,姉と一緒に,爆心地から400mのところにあった工場で働いていた父親と兄を探すために入市していました。
新しい審査の基準では,「原爆投下より約100時間以内に爆心地から約2㎞以内に入市した者が,悪性腫瘍等の疾病について,原爆症認定の申請をした場合には,格別に反対すべき事由がない限り,放射性起因性を積極的に認定する」と定められており,当然,認定されるべき被爆者です。
今回のケースは,新基準のもとにおいてもなお,いかにいいかげんな認定行政が行われているかを示しています。
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年末の「ゆいの会」の忘年会は49名の参加で,今年も行われました。長島愛生園と邑久光明園の入所者の方々,邑久光明園畑野研太郎園長,さらに今年は,両園の看護部の方にも初めて参加していただきました。
また,当会と普段から繋がりのあり,支援してくださっている方々もたくさん参加していただきました。
挨拶の中では,皆さん,東日本大震災の被災者への思いも語られました。
両園入所者自治会役員の方からは,来年も引き続き,義援金等の被災者支援の取り組みをしていきたいと述べられていました。
ハンセン病問題も風化させることのないように,ハンセン病療養所のある地元での取り組みなどを全国に向けて情報を発信しつづけていきたいと考えています。
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明日(12月11日)午後6時から,恒例のハンセンボランティア「ゆいの会」の忘年会が,アークホテルで行われます。
今年は,参加申込者も50名を超えました。例年にもまして楽しい会になればと工夫しています。
当会は,長島愛生園の「旧事務本館」が「歴史館」に生まれ変わった当初から,運営に参加してきましたが,明日午後4時から,歴史館ボランティア担当者らが,愛生園の将来構想を受けて,これからの歴史館の在り方や,ボランティアの取り組みの在り方について意見交換をします。参加予定の方々は宜しくお願いします。
長島愛生園 歴史館HP
http://aisei-rekishikan.jp/index.html
長島愛生園 歴史館HP 「見学・研修」の方法等について
http://aisei-rekishikan.jp/training.html