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一般社団法人ハンセンボランティアゆいの会

ハンセンボランティア「ゆいの会」は、一般社団法人ハンセンボランティアゆいの会となりました。 岡山県瀬戸内市邑久町にある国立ハンセン病療養所長島愛生園 ・邑久光明園でボランティア活動をしています。 本ブログでは,当会の活動のほか,ハンセン病問題に関する 最新の情報も随時掲載しています。           

楽生療養院の一部立退き問題の続報
先日、お知らせしました台湾の楽生療養院の一部立退き問題については、2007年9月12日未明より、数百名の機動隊と警官隊が楽生療養院の旧建物地帯に導入され、工事を阻止しようとする入所者の皆さんや支援者である学生の強制的な排除に着手しました。学生たちはその日のうちに釈放されたそうです。

http://www.wretch.cc/blog/happylosheng(9月12日の様子)

韓国ソロクト・楽生院補償請求弁護団は、
  以下の声明を台湾の関係当局に送ることにしました。

「楽生療養院における工事強行に対する声明


 私たちは、日本が敗戦前に植民地において行った誤ったハンセン病隔離政策により今も根深い差別偏見に苦しんでいるハンセン病回復者の皆さんの真の被害回復のために活動している弁護団です。植民地時代に日本政府によって台湾楽生院に収容された皆さんの日本に対する補償請求訴訟の代理人としての活動を通じて、現在の楽生療養院における地下鉄敷設問題、入所者の皆さんがその意思にかかわらず新施設への転居を迫られている事実を知り、これまでも何度か台湾の行政府や台北県、台北市、新荘市に対して、入所者の皆さんの意思を尊重していただきたいと意見表明して来ました。
 入所者の皆さんは、日本時代、そして日本の支配が終了した後も台湾政府によって継続された誤った隔離政策のために、ふるさとや家族とのつながりを絶たれ、未だに社会に深く根を下ろしているハンセン病に対する差別・偏見に苦しめられ、収容された療養所にとどまることを余儀なくされています。今も旧建物にとどまり、新施設への転居を拒んでいる皆さんは、自分が自分らしく生活を営むためには長年親しみ終の棲家と心に決めていた今の建物に暮らし続けることが大切なのだと訴えておられます。
 私たちは、2007年9月12日未明より、数百名の機動隊と警官隊が楽生療養院の旧建物地帯に導入され、工事を阻止しようとする入所者の皆さんや支援者である学生の強制的な排除に着手したことを聞き知りました。今回の工事開始については、事前に入所者に対する説明はなく、いきなりプレスリリースの報道によって知らされたと聞いています。基本的人権としての居住や移転の自由は誰においても尊重されるべきであり、正当な根拠や手続きを経ずして、その意思に反して侵害することは許されません。とりわけ、社会的弱者であり国家政策の被害者でもある入所者の皆さんの基本的人権は、何をおいてもまず尊重されるべきです。
 今回、工事開始の影響を直接に被る入所者の皆さんに、事前に十分な説明や話し合いの機会なく、突然に工事が強行されようとしていること、それが警察や機動隊という国家的有形力の手を借りてなされようとしていることを、私たちは心より遺憾に思います。
 台湾政府、台北県、台北市、新荘市など、関係局におかれましては、入所者の皆さんが誤った国家政策の被害者であり、行政は本来その被害を回復させるべき義務を負うものであるとの見識に立って、入所者の皆さんの基本的人権に根ざした配慮をされることを願います。

小鹿島更生園・台湾楽生院補償法請求弁護団

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