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最近、RSKイブニングニュースで、特集ハンセン病「埋もれた証言 80年目の真実」が、3日連続、「ハンセン病療養所の今」が2日連続で、それぞれ放映された。
前者は、長島愛生園入所者であった故島田等さんが、生前、入所者100人から聞き取ったテープのうち、数十本のテープが愛生園で見つかり、これを元に、番組では、入所者からみた長島とハンセン病の歴史をたどり、また生前の島田等さん自身へのインタピューや関係者からの証言から、島田等さんの生きざまや思想を描いています。
「埋もれた証言」の撮影・編集は、長年、ハンセン病問題を追っている宮崎賢カメラマン。とてもすばらしい内容になっており、全国放送されればきっと大きな反響を呼ぶのではないかと思います。
再放送されることを期待しています。
なお、島田等さんは、生前、愛生園入所者自治会50年史『隔絶の里程』の編纂に心血をそそぎ、また、『病棄て 思想としての隔離』(1986年、ゆるみ出版)や、『返礼』(1992年、タイム写植)、『次の冬』(1994年、論楽社)を出版。また、島田さんの死後、親交のあった宇佐美治さんにより、最晩年の詩、評論、書評などを集めた島田等遺稿集『花』(手帖舎)を出版されている。
後者は、隔離の象徴である島でのハンセン病療養所の現在の姿と、愛生園と光明園において、将来構想についての模索が続いている状況を、2日連続で特集しています。
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ノルウエーのベルゲン市を訪問した経験をもつ長島愛生園入所者の宇佐美治さんも参加した、先月23日の、金沢でのハンセン病政策の国際シンポジウムの様子を、毎日新聞記者がリポートしています。
詳細は、平成22年2月22日付毎日新聞石川版
金沢大が先月21~23日、金沢と東京でハンセン病政策の国際シンポジウムを開いた。「らい菌」の発見者ハンセンの出身地で、同病の歴史研究の拠点であるノルウェー・ベルゲン市から3人の研究者を招いた。元患者らも交え、両国の政策を「人権と感染症」の観点から比較検証。一方、元患者が次々と鬼籍に入る中、人権侵害の歴史を「遺産」としていかに後世に伝え、生かすかという重要な課題も提起した。【野上哲】
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20100222ddlk17040241000c.html -
2月20日(土)午後1時30分から4時まで、長島愛生園福祉会館で、第5回実行委員会を開催。
(第5回実行委員会 長島愛生園福祉会館にて)
(議事)
1.5月8日、9日の集会概要決定
市民学会企画検討委員会の牧野委員長から、総会・交流集会の内容がほぼ確定したとの報告があった。
2.全体スケジュールの確認
今後の本番に向けてのスケジュールを、スケジュール表に従って確認
3.各部局の報告と意見交換
①大会運営部
ボランティア募集に向けた準備状況報告
②企画部
●香川プレ企画
2月13日 かわせみ探検隊IN大島青松園は、参加者13名
●岡山プレ企画(第1弾)
企画名:ハンセン病問題を考える市民の集い
日時:3月21日(日)午後1時30分~4時
場所:岡山県立図書館
●岡山プレ企画(第2弾)
企画名:八重樫信之写真展「絆-日本・韓国・台湾のその後」
3カ国のハンセン病療養所の写真展
日時:3月31日から4月5日(午前9時から午後7時30分、最終日は午後4時終了)
場所:天満屋岡山店地下ギャラリーアートスペース
●総会・交流集会当日(5月8日)の、プラザホテルでの展示企画
ア、「望ヶ丘の子供たち」(歴史館企画展示を移設)
イ、「世界の島は語る」(協力、笹川保健協力財団)
ウ、「絆-日本・韓国・台湾のその後」
エ、学生のハンセン病問題への取り組み紹介パネル展
③財政部
実行委員会ブログに協賛金のお願い、総会・交流集会参加申し込み方法について掲載。
④広報出版部
岡山プレ企画(3月21日)、市民学会総会ポスター・ビラが完成。関係機関へ配布。
4.ハンセン病市民学会より郵送してもらう総会・交流集会・分科会の資料の到着(必着)締め切りを4月19日とし、市民学会事務局次長の了解を得た。
5.今後の予定
3月12日 岡山県知事面談(岡山県庁)午後1時30分~50分+記者会見(予定)
4月10日 第6回実行委員会 岡山弁護士会館(2階大会議室)午後1時30分から
4月17日 総会当日のボランティア向けの研修(養成講座)邑久光明園で午前10時から午後4時30分まで。
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「ルポ 日本の縮図に住んでみる」(日本経済新聞出版社刊 定価本体1600円+税)
50代、60代のシニア記者が、1ヶ月ほど住んでみたら、日常の取材とは違う何かが見えてくるだろうかという問題意識を持って、日本最西端の島沖縄の与那国、横浜寿町、奈良県吉野町の若者自立寮、北海道浦河町、愛知県豊田市の保見団地、国立ハンセン病療養所邑久光明園に住み、その結果、見えてきたその土地や施設の抱える深刻な問題などを綴ったルポ。
2008年4月から09年9月まで、日本経済新聞の木曜付け夕刊に連載された。
国立療養所邑久光明園でのルポでは、「素直で素朴な人が多かった。言葉に尽くせぬ過酷な体験をしたにもかかわらず、不屈の精神で、それを乗り越えてきた人たちは本当にやさしかった。」と「住んでみた後記」に感想が綴られている。
243ページには、夏祭りのときの「ゆいの会」の綿菓子やさんの前に子供たちがたくさん行列をつくっている写真が掲載されています。書店でごらんください。
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原爆症認定訴訟(岡山地裁第1民事部係属)が、平成18年(2006年)11月2日の提訴以来、3年3ヶ月を経て、16日に結審した。
この日は、原告川中さんと弁護団からの意見陳述が行われた。原告の川中さんは、残された被爆者は被曝の実相を明らかにし、体験、経験を通して後世に伝えていく義務があると思い、この裁判を闘ってきたと述べ、提訴して3年の間に、原告として体験し得たことは、これからの人生に生かしていくうえで、とても意味あるものとなったと語り、裁判所には、被爆者に寄り添った温かい気持ちを注いで欲しい、心ある裁判であることを願ってやまないと訴えました。
この日は、被告国も意見陳述を行い、すべての審理を終了した。
判決は、5月25日16時30分と指定された。