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2008年末、倉敷チボリ公園は閉園しました。開園以来10年余、岡山で「チボリ」構想が持ち上がってから、実に20年にわたる粘り強い「チボリ」に反対する闘いが終結したことを受けて、12月16日、「チボリ」闘争終結のつどいが、岡山市の「サンピーチ」で盛大に行われ、チボリ訴訟弁護団の一員として山崎博幸弁護士、山本勝敏弁護士とともに参加しました。
レジャーランド「チボリ」が開園してから、数百億円の公金がつぎ込まれてきました、開園の翌年から減り続ける入園者、逆に増え続ける累積赤字のなか、2008年末、「チボリ」は破綻し閉園となりました。
「チボリ」への莫大な公金投入の違法性を問う訴訟は、チボリ・ジャパン社への県職員派遣問題、県施設の無償貸与、出資、融資の差し止めなど6次にわたる訴訟が争われました。
一方で、「チボリ」に反対する県民の会、チボリはいらない倉敷市民の会、チボリ弁護団は、2005年3月には、「破綻したチボリに法的整理を」という提言を発表し、チボリ事業が、公共性もなく、これ以上の公金を投入しても再建することはもはや不可能であり、速やかに精算に向けた検討をすべき時期にきている。県も議会も、問題を先送りすることなく、真剣にチボリ・ジャパン社の精算に向けた破綻処理を検討することを、岡山県知事、岡山県議会、倉敷市長、倉敷市議会に強く要望した。
この頃から、チボリの破綻処理に向けて、事態は大きく動き出し、ついにはチボリの終えんを迎えました。
しかし、当初から破綻することは予想されたチボリ事業に莫大な公金をつぎ込むことを決め強く推進してきた県、市、議会が、その責任をまったく自覚せず、今日まで、真剣にチボリ事業の破綻についての総括をしようとしていない。残念ながら、これが、現在の県、市、議会の姿です。
苦い「チボリ」の教訓から多くのことを学び、同じ過ちを繰り返さないように、みんなで頑張っていく必要があります。
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ハンセンボランティア「ゆいの会」では、国立療養所「長島愛生園」で、愛生歴史館ボランティアをしていまます。最新の活動報告です(報告者 疋田邦男さん)。
「12月15日(火)9時50分から14時10分まで、地元邑久中学校1年生の160名の研修が、愛生歴史館であり、青江、岩邊、若松、疋田の4名が歴史館運営ボランティアとして、田村学芸員の指導のもと対応しました。生徒さん達も事前学習され、また会場では熱心に学習ファイルの設問をボランティアと一緒に考えながら記入しました。
研修の内容は、最初に長島愛生園の歴史の映像を見ていただき、次に常設展示のハンセン病のパネルで、ハンセン病の特徴の説明、その後、ジオラマの前で、島の中での絶対隔離政策の様子を説明した後、展示物を見て考えて頂きました。その後、田村学芸員の園内見学、そして入所者の講話など、寒い日でしたが、熱心に学習されました。
このように、ゆいの会ボランティアとして、地元の学校の生徒さん達と、歴史館で直接ふれあい、一緒にハンセン病問題を考えることで、私たちのなかに、今ある差別意識の構造を考えました。これで今年の生徒さん達の研修は終わりました。また来年、歴史館運営ボランティアを新たな気持ちでしていこうと思います。」
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ハンセン病療養所の将来構想をすすめる会・岡山が、平成21年12月15日(火)14時から16時まで邑久光明園で開催された。
将来構想に向けた邑久光明園と長島愛生園の取り組み状況についての報告、来年のハンセン病市民学会実行委員会の状況報告を行ったのち、将来構想に関する行政(岡山県、瀬戸内市、市議会)としての取り組み等についても意見交換を行った。
出席者:愛生園自治会 中尾会長、神谷生活委員長、邑久光明園 屋会長、山本副会長、瀬戸内弁護団 近藤・井上、岡山県健康対策課 奧総括副参事、瀬戸内市議会 松本議長、長島未来を考える特別委員会 小野田委員長・小谷副委員長、瀬戸内市市民課 上田課長、全医労長島支部 河畑書記長、全医労光明園支部 竹内支部長・小田、全医労中地協 松村書記次長・桂、岡山県医労連 川谷書記長、岡山県医療ソーシャルワーカー協会 志賀会長
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金沢大学主催で、下記のような企画があります。
【国際ハンセン病政策シンポジウム(第2回) ハンセン病医療政策と患者の人権- 日本とノルウエー】
日時:2010年1月23日(土)13時~17時
場所:金沢市文化ホール大会議室(金沢市高岡15番1号)
定員:100名
内容:第1部 講演「ノルウエーにおけるハンセン病医療政策の過去と現在」、「患者の権利からノルウエーのハンセン病隔離政策を問う」、「国際的視点から捉えるノルウエー-ハンセン病政策とスティグマ」
ノルウェーベルゲン市からハンセン病医療政策の歴史研究を行っている3名を招き,ノルウェーのハンセン病隔離政策と患者の人権に関する議論の歴史的変遷を紹介。
第2部:シンポジウム
「ハンセン病隔離政策と患者の人権-日本とノルウエーの相違」
詳細は、下記参照
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来年の第6回ハンセン病市民学会現地実行委員会では、現在、岡山市内でのプレ企画を計画しています。
現地実行委員会では、実行委員会全体会、実行委員会事務局会議、部局会議(企画、運営、広報、会計)が、それぞれ行われ準備を進めています。
前日、12月9日午後6時から、「きらめきプラザ」で行われた企画部会議で、プレ企画と、大会期間中の展示企画の内容等について、議論をしました。
プレ企画(案)の概要は、以下のようなものです。詳細は確定しだい、本ブログで紹介します。
日時:2010年3月21日(日)午後1時30分から4時00分
会場:岡山県立図書館
内容:①「いのちの”格差”~戦争に翻弄された病 ハンセン病」(三重テレビ放送制作)上映、②長島愛生園・邑久光明園の語り部による講演
◆「いのちの”格差”~戦争に翻弄された病 ハンセン病」について
同作品は、三重テレビ放送(本社・津市)制作の制作で、2008年度の坂田記念ジャーナリズム特別賞を受賞した、三重テレビ放送報道制作部ディレクター小川秀幸さんの企画による作品。
戦時下に、ハンセン病療養所に隔離されたハンセン病回復者の証言を追いながら、障害者ら弱者が追い込まれる今日の状況と重ねあわせ、社会のあり方を 問うた作品(2009年4月19日朝日新聞より)。
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国立療養所長島愛生園の入所者である加賀田一さんの新著「いつの日にか帰らん ハンセン病から日本を見る」が、株式会社文芸社から出版され、今日、新著を頂きました。
歴史の現場に立ち会った者のみが語れる事実、わが国の過酷なハンセン病隔離政策のなかで翻弄されながらもつよく結びついた家族との絆、当時の国際的な状況の変遷も踏まえて日本の隔離政策がどのようなものであったかについても、とても読みやすい文章で書かれています。ぜひ多くの方に読んでもらいたいと思います。
加賀田一さんは、1917年生まれ。1936年に長島愛生園に入園。愛生園入所者自治会会長や全患協(現全療協)の中央委員などを歴任。2000年には、「島は動いた 隔離六十年の体験から「小島の春」はいま!」を、文芸社から出版している。
一般の書店でも購入出来ると思いますので、関心のある方はぜひ手に取ってみてください。
「いつの日にか帰らん」(加賀田一著)
2010年1月15日 初版第1刷
出版社:株式会社文芸社
価格:定価本体1400円+税
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愛媛新聞が、11月に、「歩みきたりぬ ハンセン病療養所の100年」(1)~(9)という集中連載(高松支社・一宮弘美さん、生活文化部・村上直子さん)をしています。
同連載記事を書いた村上直子記者から、「ゆいの会」の活動を知りたいとの申し出があり、長島愛生園でのゆいの会の歴史館ボランティアの活動の様子を取材していただき、上記連載の(6)で取り上げていただいた。
上記連載では、療養所開設から100年を迎えた大島青松園を中心に、同園に暮らす入所者の方の声とともに、島の将来や市民の関わりが始まっていることを取り上げた、とてもよい内容になっています。
村上記者から、前記連載記事のコピーを送っていただきました。同社のHPで見られないのが残念です。図書館等で、機会があれば、ご覧ください。
連載(1) 「歌とともに 人間の尊厳 心に刻む」
連載(2)「老いゆく島 最後までここで生活」
連載(3)「重労働 支え合う 命を生活を」
連載(4)「生きる証し 社会とのつながり求め」
連載(5)「終生在園 不安 見えぬ将来構想」
連載(6)「市民ボランティア 意識変える架け橋に」
連載(7)「島に芸術を(上) 祭典に出会いの希望」
連載(8)「島に芸術を(下) 人の温かさに触れて」
連載(9)「近きふるさとへ 知り考えることから」
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11月30日午後7時30分から9時まで、ハンセン病市民学会in瀬戸内 現地実行委員会の全体事務局会議を行いました。
参加者:青木、牧野、山本、近藤、田村、岩藤、志賀、岩田、八谷、呉、川谷、則武、中田、森田、日本旅行担当者
議事録(概要)
1)各部進捗状況報告・意見交換
①ハンセン病市民学会企画委員会における原案報告(末尾参照)
親委員会である組織委員会で検討を始めたところであるとの説明があった。
・市民学会組織委員会企画委員会より、第1日目、第2日目の各テーマとコンセプトを中心として報告。
②大会運営部、企画部、出版広報部、財務部、事務局からそれぞれ、進捗状況について報告があり、意見交換を行う。
③現地実行委員会の今後の予定
・第3回実行委員会は、12月19日(土)15時から、岡山弁護士会館2階大会議室、6時から忘年会(アークホテル)
・第4回実行委員会は、2月20日。全体事務局会議は、2月1日。
・第5回実行委員会は、3月20日を予定していたが、翌3月21日の岡山市内(岡山県立図書館)でのプレ企画と、同日にし、3月21日午前に実施(変更)することを確認した。
この日、市民学会から示された「現時点での企画委員会の案」
全体テーマ『島は語る~隔離の象徴としての”島”を再認識し、心の橋を架ける~』
第1日目(岡山プラザホテル)
開会(13時~13時30分)
総会(13時30分~14時20分)
交流集会(14時30分~18時15分)
テーマ『島の当事者の声を聴く』
基調対談1「島の生活を語る」
基調対談2「隔離の島から生まれた当事者運動」
基調対談3「邑久長島大橋の架橋運動から学ぶもの」
総括座談「島の当事者の声を聴いて」
第2日目(長島愛生園、邑久光明園、大島青松園)
長島愛生園会場
【分科会A】「『新良田教室』の残したものを考える」
【分科会B】「啓発」
【分科会C】「ハンセン・ボランティアの現状と課題」
邑久光明園会場
【分科会D】「外島保養院から邑久光明園へ~100年の歴史をたどる」
【分科会E】「自治体に求められている課題を考える」
大島青松園会場
【分科会F】「ふるさとを語る~四国4県からの入所者が語る」(仮題)
来年5月8日、9日に開催される、ハンセン病市民学会in瀬戸内では、隔離の象徴としての”島”という観点から、改めて、体験者らの生の声を聴くなかで、我が国のハンセン病隔離政策の歴史を再検証しつつ、島における療養所の現在及び未来について、市民一人ひとりがどう関わりをもてばよいのか、どのような関わりをもつことができるかを考える集会にしたいと考えています。